軽量テントを選ぶポイントは?
以上から、ツーリングや登山で重宝する「軽量テント」。次に選び方についてご紹介していきたいと思います。大きなポイントは3つ。設営法と構造、そして特色です。
設営法⇨自立式
見た目でわかりやすいのが、設営法です。こちらには大きく、自立式 / 非自立式の違いが存在します。文字通り、テントのポールだけで自立するか、トレッキングポールやペグダウンなど、他の道具を使ってテンションをかけて自立させるかの違いになります。
非自立式のテントには比較的軽量でコンパクトなモデルも多いのですが、設営がより簡単で使いやすい、自立式のテントを選ぶのがベターです。
構造⇨ダブルウォール
次に意外と重要なポイントが、テントの構造です。具体的には、シングルウォール / ダブルウォールの違いが存在します。こちらも文字通り、テントの壁が1枚か2枚かの違いです。ダブルウォールのテントはフライシートとして着脱することができます。
撥水性能を高めることができ、結露が発生しにくく、居住性も確保できるダブルウォールのテントを選ぶのがベターです。
特色
上記の二つのポイントに加えて、選択の決め手になるのが特色でしょう。近年は、様々な利用シーンやニーズを反映し、個性的なモデルが多く誕生しています。その中で、特に考慮したい4項目を挙げてみました。
■コストパフォーマンス
ビギナーにとって一番重要なのが、コストパフォーマンスの高さではないでしょうか?通常より高機能かつ軽く作られている軽量テントは、平均約5万円と総じて金額が高めです。しかし老舗メーカーを中心に、ビギナーが手を出しやすいモデルも存在します。
■軽さ
アウトドアシーンにおいて軽さは正義です。軽ければ軽いほど良いというニーズに対応し、耐久性を担保しつつより軽量かつ高機能な素材を使ったり、構造を簡素化することで、最小重量1kg以内 に収めている、尖ったモデルもいくつか存在します。
■耐久性
軽量化のため薄い生地で作られている軽量テント。ヘビーに使いたい方にとって気になるのは、耐久性でしょう。特に高山へ登っていると、岩が転がっているテント場を利用することも多いです。少し重量は増えますが、軽さと頑丈さを兼ね備えたテントも存在します。
■居住性
軽いがゆえに「快適に過ごせるのか?」という先入観を持ってしまう軽量テントですが、実は創意工夫をして居住性を高めたモデルも散見されます。平面の面積が広いため、設営場所に気を使う必要があるものの、ゆとりを持って眠りたい方にオススメです。
信頼のアウトドアブランド「軽量テント」のおすすめモデル10選
それでは上記の選ぶポイントを踏まえて、各アウトドアブランドのおすすめモデルをご紹介します。特色については、各モデル1番目と2番目にくるものを添えているので、ぜひテント選びの参考にしてみてください。
※基本的に重量については、ブランドによって表記が異なるので、総重量もしくは最小重量(テント・フライ・ポール)を記載しています。
おすすめ軽量テント① ARAI TENT(アライテント) トレックライズ1
自立式、ダブルウォール、総重量1.46kg
コストパフォーマンス★★★★★
軽さ ★★☆☆☆
耐久性 ★★★★☆
居住性 ★★★★☆

画像:Amazon
多くの登山者が愛用する山岳用テントのベストセラーモデルです。ダブルウォールながら軽量かつコンパクトで、設営も2本のポールで立てるだけ。ビギナーでもかなり使いやすい3シーズンテントとなっています。価格も4万円後半と、軽量テントとしてはお手頃です。
その性能の高さは折り紙つき。「ヒマラヤでもウラヤマでも」をブランドの標語としており、高い耐久性も備えています。また、熱気がこもりにくく快適性を高めるために、空気の通り道を考慮したベンチレーション構造を特徴としています。
重量は1.46kgと、軽量テントの中では少し重いように見えるかもしれません。これは居住性を上げているからで、より軽量なものを選びたい方は、スペースよりも軽さに特化したトレックライズ0がおすすめです。
おすすめ軽量テント② モンベル ステラリッジ2型
自立式、シングル/ダブルウォール、総重量1.43kg
コストパフォーマンス★★★★★
軽さ ★★☆☆☆
耐久性 ★★★★★
居住性 ★★★☆☆

画像:Amazon
アライテントとともに山岳用テントで双璧をなすモンベルのベストセラーモデルです。テント単品とフライシートが別売りとなっており、シングルウォールでもダブルウォールでも使用できます。やはり最大の魅力は、モンベルらしい総合力の高さ。
10デニールという薄さながら高強度な素材を使い、軽量性と耐久性を見事に両立しています。コンパクトに収納でき、携行時の負担を軽減することも可能です。軽量テントに嬉しいポイントを全て押さえながら、4万円台後半で購入できるのが嬉しいですね。
特筆すべきポイントは、耐風性です。通常、ポール吊り下げ式のテントは風に弱いのですが、風を受け流す構造になっており、強風時でも驚異の安定感を誇ります。高い耐風性は、安心できる寝床を確保する意味で、とても心強いです。
おすすめ軽量テント③ NEMO(ニーモ) ホーネットストーム1P
自立式、ダブルウォール、最小重量760g
コストパフォーマンス★★★☆☆
軽さ ★★★★★
耐久性 ★★☆☆☆
居住性 ★★☆☆☆

画像:Amazon
軽量テントの中では最軽量のモデルの一つです。15デニールという薄い生地を使用しつつ、ニーモ独自の「ボリューマイジングガイアウト」という機能が用いられ、快適に過ごせる居住性も確保している点もポイント。特にファストパッキングの登山愛好家やミニマリストのユーザーに人気のモデルとなっています。
通常、軽さを追求している場合、高価なモデルが多いですが、ホーネットストーム1Pは5万円弱と、先ほどご紹介したコストパフォーマンスの高いモデルに並ぶ価格帯です。
ただかなり軽量化しているので、吹きっさらしになる森林限界の高山では使用に向かないという声もあります。こじんまりとしたソロキャンプや、標高の低い山への登山、バイクや自転車などのツーリングでアドバンテージを発揮しそうです。
おすすめ軽量テント④ BIG AGNES(ビッグアグネス) フライリークHV UL1
自立式、ダブルウォール、総重量907g
コストパフォーマンス★★☆☆☆
軽さ ★★★★☆
耐久性 ★★★★☆
居住性 ★★★★☆

画像:Yahoo!
マニアに支持されているブランド・ビッグアグネスの代表的なモデルです。1kgを切る軽さを出しながら、高強度でUVカット、風雨にも強いなどメリット盛り沢山。設営もしやすくとてもコンパクトなため、ビギナーでも取り扱いやすいでしょう。
フライシートが居住性を高めるために一役買っています。またテント自体とても薄いものの、フライシートで密閉することで、テント内の温度も少し上げることができるので、朝夜に冷える山の上でも安心です。
ビッグアグネスのテントはバックルが使いやすいのもポイント。慣れれば5分もかからずに
設営・撤収できる使い勝手の良さは、早朝出発することの多い登山やツーリングではとても重宝します。
おすすめ軽量テント⑤ MSR ハバNX
自立式、ダブルウォール、最小重量1.29kg
コストパフォーマンス★★★☆☆
軽さ ★★★☆☆
耐久性 ★★★★☆
居住性 ★★★★☆

画像:楽天
高性能な登山ギアを揃えるMSRのベストセラーモデルです。中でも人気の高い理由が、軽量テントの中でも一線を画す耐久性。グランド部分には30 デニール、フライシートには20デニールという密度の高い生地を使い、経年劣化を防ぐ精度の高い縫製を採用しています。
さらには新たなコーティング、エクストリームシールドシステムも施されています。これにより従来の3倍の耐久性を実現し、撥水性能も高めているという充実ぶり。これほど高い耐久性を備えながら、重量1.29gという軽さを実現していることも驚きです。
価格は5万円台と少し上がるものの、日本アルプス登山といった過酷な環境での使用を想定する場合は、ぜひ候補として検討したいモデルと言えるでしょう。
おすすめ軽量テント⑥ finetrack(ファイントラック) カミナドーム1
自立式、ダブルウォール、総重量1.28g
コストパフォーマンス★★☆☆☆
軽さ ★★★☆☆
耐久性 ★★★★★
居住性 ★★★★★

画像:楽天
メイドインジャパンにこだわり、付加価値の高い製品を揃えるfinetrack(ファイントラック)の最高傑作と言えるモデルです。価格は6万円を超え、高価な部類に入りますが、どんな性能にも妥協しないfinetrackらしさが詰まっています。
軽さと耐久性を備えた66ナイロンリップストップ生地を採用。異径ポールを用いた独自の梁構造によりテントの頭上空間を、一般的な軽量テントの約1.4倍と、かなり居住性も高めています。それでいて特許製法の骨格構造により、驚異の耐風性を誇ります。
まさに山岳用テントの中では最強クラスのスペックを備えており、多くのマニア を虜にしているモデルです。
おすすめ軽量テント⑦ ARAI TENT(アライテント) オニドーム1
自立式、ダブルウォール、総重量1.29kg
コストパフォーマンス★★★★☆
軽さ ★★★☆☆
耐久性 ★★★★☆
居住性 ★★★★☆

画像:Amazon
先ほどご紹介したトレックライズとは全く違う特徴を持つ軽量テントです。1番の特色は、斬新な構造。オニドームの名前の由来となった、前室を作るための2つの「つの」状の張り出し部分と、ユニークな台形のフォルムは高い居住性をもたらします。
また通常、テントを張るときにはペグダウンを行いますが、ペグダウンをせずともしっかりと空間ができあがるところも魅力です。アライテントらしい高い耐久性は、軽量なこのモデルでも健在。グランドには40Dの生地も使われています。
特殊な形状ですが、使い勝手もよく、広々と快適に過ごせるオニドーム。価格も4万円代後半と、十分にコストパフォーマンスの高いモデルです。
おすすめ軽量テント⑧ THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス) マウンテンショット1
自立式、ダブルウォール、総重量1.27kg
コストパフォーマンス★★★☆☆
軽さ ★★★☆☆
耐久性 ★★★☆☆
居住性 ★★★★☆

画像:Amazon
大人気ブランドTHE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)が手がける代表的なモデル。まだ2020年に発売開始したばかりの新作テントになります。テントとしての知名度はそれほどありませんが、かなり居住性の高いモデルとして根強い支持を得ています。
入り口が開放的で、サブポールにより頭上空間もゆったりと、縦横が220×90cmほどと広く、1人用のテントでありながら最高クラスの過ごしやすさを誇っています。また、効果的な換気を促すハイ・ローベンチレーションを装備しているのもポイントです。
充実したスペックながら5万円前半と、価格は今回ご紹介した中では平均値。決して手の届かない価格ではなく、ブランドとしての信頼性も高いので、ビギナーの方にオススメです。
おすすめ軽量テント⑨ BIG AGNES(ビッグアグネス) コッパースプールHV UL1
自立式、ダブルウォール、総重量1.08kg
コストパフォーマンス★★☆☆☆
軽さ ★★★★☆
耐久性 ★★★★☆
居住性 ★★★★☆

画像:Amazon
BIG AGNES(ビッグアグネス)が誇るアメリカ国内人気NO.1モデルです。何と言っても魅力的なのは、1.08kgという最軽量クラスに近い軽さ でありながら、耐久性や居住性を備えたバランスの高いモデルになっているということ。ビッグアグネスならではの設営・撤収のしやすさも健在です。
他のモデルと違う特徴としては、トレッキングポールなどを支柱にすれば、フライシートを水平の屋根のように使用できる点。日陰を作りながら、テントの外で食事や焚き火などができる仕様になっています。
BIG AGNES(ビッグアグネス)が誇るアメリカ国内人気NO.1モデルです。何と言っても魅力的なのは、1.08kgという最軽量クラスに近い軽さ でありながら、耐久性や居住性を備えたバランスの高いモデルになっているということ。ビッグアグネスならではの設営・撤収のしやすさも健在です。
他のモデルと違う特徴としては、トレッキングポールなどを支柱にすれば、フライシートを水平の屋根のように使用できる点。日陰を作りながら、テントの外で食事や焚き火などができる仕様になっています。
価格は7万円台と少し張るものの、ツーリングや登山、ソロキャンプなどあらゆる楽しみ方に適したモデル。末長く使うことを前提に検討してみてはいかがでしょうか?
おすすめ軽量テント⑩ プロモンテ(PuroMonte) VL-17
自立式、ダブルウォール、総重量1.34kg
コストパフォーマンス★★★★☆
軽さ ★★★☆☆
耐久性 ★★★★☆
居住性 ★★★☆☆

画像:楽天
安定安心のギアを手がける国内ブランドプロモンテ(PuroMonte)の軽量テントの代表モデルです。軽くコンパクトでありながら、使い勝手と機能性に富んでおり、非常にバランスの高いモデルとなっています。安心のメイドインジャパンです。
どの観点でも優秀なテントですが、中でも旧型のモデルから大きく進化しているポイントが耐久性。グランド部分に40デニールの生地を使用したり、縫製やポールの固定法など細部まで改良されています。
また速乾性に優れたポリエステルを使用しており、撥水性も高いため、突如雨に降られても安心です。これだけ機能が盛り沢山でありながら価格が4万円台前半となると、大いに選択肢になるのではないでしょうか?
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

【筆者】まっぷるライフスタイル編集部
SNS
旅行だけでなく日常も楽しく!をコンセプトに、生活を豊かにしてくれるアイテムを厳選して紹介。
日用品からコスメ、ベビー用品、音楽、DIY用品など、ジャンルという壁を作らず、目利き力のある編集者がおすすめアイテムをセレクトします。
何を買えばよいかわからないを無くすことをモットーに、皆さんの生活が豊かになるアイテム選びのお手伝いができるコンテンツを日々制作しています。